海の沈黙は実話?津山竜次の元ネタとモデル・モチーフは永仁の壺事件

2024年11月22日から公開される映画『海の沈黙』には原作となった小説、元ネタやモデルになったもの、モチーフとなったものはあるのでしょうか。

本作は、巨匠・倉本聰による長年の構想を経て、豪華俳優陣で公開される話題の作品になっています。

海の沈黙は実話なのか、原作や元ネタ、モデルとモチーフになったものはあるのかについてまとめていきます。

目次

海の沈黙の原作は小説?

海の沈黙について、まずは原作となった小説などはあるのかまとめていきます。

海の沈黙の原作は小説ではない

今回公開される海の沈黙は、原作となった小説はありません。

倉本聰氏が原作脚本を務めたオリジナル作品となっています。

同じ作品名でヴェルコールという方が書いた、「海の沈黙 星への歩み」という書籍がありますが、内容はナチ占領下のフランス国民を題材にしたものとなっていますので、今回公開される映画とは無関係だと考えられます。

海の沈黙はオリジナルストーリー

海の沈黙はオリジナルストーリーとなっています。

原作、脚本を手がけた倉本聰氏は「前略おふくろ様」「北の国から」「やすらぎの郷」など多くの名作を生み出しており、今回の作品もそれに匹敵するような作品となるのではないでしょうか。

倉本聰氏は海の沈黙について、「どうしても書いておきたかった」とコメントしており、今回のオリジナルストーリーについてかなり構想を練ったものになっていると思います。

あらすじとしては、以下になります。

世界的な画家・田村修三の展覧会で作品のひとつが贋作だと判明する事件が起こる。事件の報道が加熱する中、北海道・小樽で女性の死体が発見される。このふたつの事件をつなぐ存在として浮かび上がったのが、新進気鋭の天才画家と称されながら、ある事件をきっかけに人びとの前から姿を消した津山竜次だった。かつての竜次の恋人で、現在は田村の妻である安奈は小樽へ向かい、二度と会うことはないと思っていた竜次と再会を果たすが……。

海の沈黙 : 作品情報 – 映画.com

海の沈黙の津山竜次はモデル・モチーフや実話がある?

https://twitter.com/eiga_natalie/status/1851965140410995138

海の沈黙は倉本聰氏のオリジナルストーリーとなっていて、原作の小説はありませんが、モデルやモチーフになったものはあるのでしょうか。

実話を元にしているのかも含めて、調べたことをまとめていきます!

モデル・モチーフ①永仁の壺事件

海の沈黙のモデル・モチーフになったとされているのは、永仁の壺事件です。

永仁の壺事件は、鎌倉期に作られたとされていた壺が贋作であることが判明したことがきっかけで、重要文化財指定されていたものが取り消された、という事件です。

瓶子(へいし)と呼ばれる口縁部が細くすぼまる小型の壺が鎌倉時代の傑作ということで、昭和34年に国の重要文化財に指定されましたが、加藤唐九郎氏が昭和12年に壺を作成したと発表し、壺についての調査が始まりました。

調査の結果、壺の素材が鎌倉時代のものでなかったことや、経年劣化の状況が鎌倉時代のものとは考えられないなどのことが発覚し、重要文化財の指定が取り消されることとなりました。

倉本聰氏はこの事件について、

 「時代が違うとわかった途端、作品を認めていた評論家も世間も美の価値を下げる。この風潮に納得がいかなくて、なんとか映画にしたいと思ってきた」

倉本聰の新作映画「海の沈黙」 60年前の事件に「納得いかず」構想

とコメントしていて、同記事で「作品の美に、作者や時代の裏付けが必要なのか。」とも問いかけしています。

ふじまる

海の沈黙が描かれるにあたって、永仁の壺事件が大きなモデル・モチーフとなったことは間違いなさそうですね。

モデル・モチーフ②実話を基にしている?

モデル・モチーフとなったものには永仁の壺事件がありましたが、その他にも、ある実話を元にしたシーンが映画の中に出てくるそうです。

それは、迎え火のシーンです。

倉本聰氏が作品作りをする過程で、天塩町の海岸で夕方に複数の若者が太い木を何本も運んでいる姿を目撃しました。 

その地域では漁師仲間の1人が海で亡くなると、「迎え火」というものをたくそうで、そのために運んでいるとのことでした。

亡くなった人に向けて自身の居場所を示し、また戻ってきて欲しいという意味が込められており、何日間にも渡って大きな火をたくそうです。

ふじまる

このシーンは倉本聰氏が原作・脚本を作成する過程で、ポイントにもなったシーンと語っていて、どのように描かれているのかとても気になりますね。

海の沈黙は実話?津山竜次の元ネタとモデル・モチーフは永仁の壺事件?まとめ

海の沈黙について、原作となった小説はありませんでしたが、本作、津山竜次の元ネタやモデル・モチーフとなったものが、永仁の壺事件や倉本聰氏が実際に見た迎え火のシーンを元にこの映画が作成されていることがわかりました。

一部、実話を元に映画が作成されているということで、より作品に入り込んで鑑賞することができるのではないでしょうか。

皆さんも海の沈黙をぜひチェックしてみてください。

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